3分で計算できる!初期微動継続時間・震源までの距離・地震発生時刻の求め方

初期微動継続時間・震源までの距離・地震発生時刻の求め方を教えて!

こんにちは!この記事を書いてるKenだよ。インド、カレーだね。

 

中1理科では地震について勉強してきたけど、特に厄介なのが、

地震の計算問題

だ。

地震の計算問題では、

  • 初期微動継続時間
  • 震源までの距離
  • 地震発生時刻
  • P・S波の速さ

などを求めることになるね。

たとえば、こんな感じの地震の問題だ↓

 

 

地震の計算問題の解き方

この練習問題を一緒に解いていこう。

 

問1. P・S波の速さを求めなさい

まずPとS波の速さを求める問題からだね。

結論から言うと、P波とS波の速さはそれぞれ、

  • P波の速さ=(震源からの距離の差)÷(初期微動開始時刻の差)
  • S波の速さ=(震源からの距離の差)÷(主要動開始時刻の差)

で求めることができるよ。

 

ここで思い出して欲しいのが、

P波とS波のどちらが初期微動と主要動を引き起こす原因になってるか?

ってことだ。

ちょっと「P波とS波の違い」について復習すると、

P波という縦波が「初期微動」、

S波という横波が「主要動」を引き起こしていたんだったね??

 

初期微動継続時間 求め方

 

ってことは、初期微動の開始時刻は「P波が観測点に到達した時刻」。

主要動の開始時刻は「S波が観測地点に到達した時刻」ってことになる。

ここでA・Bの2地点の初期微動・主要動の開始時刻に注目してみよう↓

観測点 震源からの距離 初期微動が始まった時刻 主要動が始まった時刻
A 24 7時30分01秒 7時30分04秒
B 48 7時30分04秒 7時30分10秒

 

A・B地点の初期微動が始まった時刻の差は、

(B地点の初期微動開始時刻)-(A地点の初期微動開始時刻)

= 7時30分04秒 – 7時30分01秒

= 3秒

だね。

 

AとBの震源からの距離の差は、

48-24= 24km

だ。

 

ってことは、初期微動を引きおこしたP波は3秒でA・B間の24kmを移動したことになる。

よって、P波の速さは、

(AとBの震源からの距離の差)÷(A・B間の初期微動開始時刻の差)

= 24 km ÷ 3秒

= 秒速8km

ってことになるね。

 

主要動を引き起こしたS波についても同じように考えてみよう。

S波の速さは、

(AとBの震源からの距離の差)÷(A・B間の主要動開始時刻の差)

= 24 km ÷ ( 7時30分10秒 – 7時30分04秒)

= 24 km ÷ 6秒

= 秒速4km

になるね。

 

問2. 地震発生時刻は?

次は地震発生時刻だね。

地震発生時刻の求め方は、

(初期微動開始時刻) – (震源からの距離)÷(P波の速さ)

で計算できちゃうよ。

なぜこの計算式で地震発生時刻が求められるのか詳しく見ていこう。

 

まず、「P波の速さ」と「震源からの距離」を使うと、

P波が到達するまでにかかった時間を求めることができるんだ。

 

ここで思い出して欲しいのが速さの公式

道のり÷速さ

で、ある道のりの移動にかかった時間を求めることができたよね?

今回は、地震が「震源」というスタート地点から、「観測点」というゴールまでにかかった時間を算出するわけね。

 

ここでA地点の観測データに注目してみよう。

観測点 震源からの距離km 初期微動が始まった時刻 主要動が始まった時刻
A 24 7時30分01秒 7時30分04秒

震源からの距離は24kmだから、初期微動を伝えるP波はA地点まで、

(Aの震源からの距離)÷(P波の速さ)
=24km ÷ 秒速8km
= 3秒

で進んだことになる。

こいつをA地点の初期微動がはじまった時刻から引いてやると、地震発生時刻が求められるよ。

(A地点の初期微動がはじまった時刻)- (P波がA地点まで到達するのにかかった時間)

= 7時30分01秒 – 3秒

=  7時29分58秒

になるね。

 

問3. C地点の初期微動継続時間は?

続いてはC地点の初期微動継続時間だ。

観測点 震源からの距離 初期微動が始まった時刻 主要動が始まった時刻
C 64 7時30分06秒 X

C地点の主要動の開始時刻がわからないから、まずこのXを求めないと初期微動継続時間がわからないようになってるのね。

  1. C地点にS波が到達するまでの時間を計算
  2. C地点の主要動の開始時刻を求める
  3. 主要動開始時刻から初期微動開始時刻を引く

の3ステップで計算していくよ。

 

まず、S波がC地点までに到達する時間を計算。

(C地点の震源からの距離)÷(S波の速さ)

= 64km ÷ 秒速4km

= 16秒

になる。

地震発生時刻が7時29分58秒だから(問2で求めたやつね)、そいつに16秒を足してやるとC地点の主要動開始時刻になる。

よって、C地点の主要動開始時刻は、

(地震発生時刻)+(S波がCに到達するまでにかかった時間)

= 7時29分58秒 + 16秒

= 7時30分14秒

だ。

 

あとは、「主要動開始時刻」から「初期微動開始時刻」を引けば「初期微動継続時間」が求められるから、

(C地点の主要動開始時刻)-(C地点の初期微動開始時刻)

= 7時30分14秒 – 7時30分06秒

= 8秒

になるね。

こいつがCの初期微動継続時間だ!

 

問4. D地点の震源からの距離を求めて

D地点の震源からの距離(Y)を求める問題だね。

観測点 震源からの距離 初期微動が始まった時刻 主要動が始まった時刻
D Y 7時30分10秒 7時30分22秒

この震源からの距離を求める問題は、

  1. P波がD地点に到達するまでにかかった時間を求める
  2. そいつにP波の速さをかける

の2ステップでオッケー。

 

まず、初期微動開始時刻から地震発生時刻を引いて、P波が震源からD地点まで到達するのにかかった時間を計算。

(D地点で初期微動が始まった時刻)-(地震発生時刻)

= 7時30分10秒 – 7時29分58秒

= 12秒

 

あとはこいつにP波の速さをかけてやれば震源からD地点までの距離が求められるから、

(P波が震源からD地点に到達するまでにかかった時間)×(P波の速さ)

=12秒 × 秒速8km

= 96 km

がD地点の震源からの距離だね。

 

問5.「初期微動継続時間」と「震源からの距離」のグラフをかいて!その関係性は?

震源からの距離と初期微動継続時間の関係をグラフに表していくよ。

まずはA〜D地点の初期微動継続時間を求めてみよう。

 

それぞれの地点で、

  • 初期微動の開始時刻
  • 主要動の開始時刻

がわかってるから、それぞれの初期微動継続時間は、

(主要動の開始時刻)−(初期微動の開始時刻)

で計算できるよ。

実際に計算してみると、次の表のようになるはずだ↓

観測点 震源からの距離 初期微動が始まった時刻 主要動が始まった時刻 初期微動継続時間
A 24 7時30分01秒 7時30分04秒 3秒
B 48 7時30分04秒 7時30分10秒 6秒
C 64 7時30分06秒 7時30分14秒 8秒
D 96 7時30分10秒 7時30分22秒 12秒

 

この表を使って、

  • 震源からの距離
  • 初期微動継続時間

の関係をグラフで表してみよう。

縦軸に震源からの距離、横軸に初期微動継続時間をとって点をうってみよう。

 

初期微動継続時間 求め方

 

この点たちを直線で結んでやると、こんな感じで直線になるはず。

 

初期微動継続時間 求め方

 

原点を通る直線の式を「比例」といったね?

 

このグラフも比例。

なぜなら、原点(0,0)を通り、なおかつ初期微動継続時間が2倍になると、震源からの距離も2倍になるっていう関係性があるからね。

したがって、

初期微動継続時間は震源からの距離に比例する

って言えるね。

初期微動時間が長いほど震源からの距離も大きくなるってことだ。

 

 

初期微動継続時間・震源までの距離・地震発生時刻の公式をまとめておこう

以上が自身の地震の計算問題の解き方だよ。

手ごたえがあって数学までからでくるから厄介な問題だけど、テストに出やすいから復習しておこう。

最後に、この問題を解くときに使った公式たちをまとめたよ↓

P波の速さ (観測点間の距離)÷(観測点間の初期微動開始時刻の差)
S波の速さ (観測点間の距離)÷(観測点間の主要動開始時刻の差)
地震発生時刻 (初期微動開始時刻) – (震源からの距離)÷(P波の速さ)
初期微動継続時間 (地震発生時刻)+(S波がある地点に到達するまでにかかった時間)-(初期微動開始時刻)
震源からの距離 (P波が震源からある地点に到達するまでにかかった時間)×(P波の速さ)

 

地震の計算問題をマスターしたら次は「地震の種類と仕組み」を勉強してみてね。

 

そじゃねー

Ken

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