初期微動継続時間・震源までの距離・地震発生時刻の求め方を教えて!
こんにちは!この記事を書いてるKenだよ。インド、カレーだね。
中1理科では地震について勉強してきたけど、特に厄介なのが、
地震の計算問題
だ。
地震の計算問題では、
- 初期微動継続時間
- 震源までの距離
- 地震発生時刻
- P・S波の速さ
などを求めることになるね。
たとえば、こんな感じの地震の問題だ↓
次の表はA~Dまでの4つの地点で地震の揺れを観測した計測結果です。
- 初期微動が始まった時刻
- 主要動が始まった時刻
- 震源からの距離
がわかっています。
観測点 | 震源からの距離 | 初期微動が始まった時刻 | 主要動が始まった時刻 |
---|---|---|---|
A | 24 | 7時30分01秒 | 7時30分04秒 |
B | 48 | 7時30分04秒 | 7時30分10秒 |
C | 64 | 7時30分06秒 | X |
D | Y | 7時30分10秒 | 7時30分22秒 |
なお、係員の伝達ミスのためか、C地点の主要動が始まった時刻(X)、D地点の震源からの距離(Y)がわからなくなってしまったのです。
このとき、次の問いに答えてください。
- P・S波の速さは?
- 地震発生時刻は?
- Cの初期微動継続時間は?
- Dの震源からの距離は?
- 初期微動継続時間と震源からの距離の関係をグラフに表しなさい。また、どのような関係になってるか?
地震の計算問題の解き方
この練習問題を一緒に解いていこう。
問1. P・S波の速さを求めなさい
まずPとS波の速さを求める問題からだね。
結論から言うと、P波とS波の速さはそれぞれ、
- P波の速さ=(震源からの距離の差)÷(初期微動開始時刻の差)
- S波の速さ=(震源からの距離の差)÷(主要動開始時刻の差)
で求めることができるよ。
ここで思い出して欲しいのが、
P波とS波のどちらが初期微動と主要動を引き起こす原因になってるか?
ってことだ。
ちょっと「P波とS波の違い」について復習すると、
P波という縦波が「初期微動」、
S波という横波が「主要動」を引き起こしていたんだったね??
ってことは、初期微動の開始時刻は「P波が観測点に到達した時刻」。
主要動の開始時刻は「S波が観測地点に到達した時刻」ってことになる。
ここでA・Bの2地点の初期微動・主要動の開始時刻に注目してみよう↓
観測点 | 震源からの距離 | 初期微動が始まった時刻 | 主要動が始まった時刻 |
---|---|---|---|
A | 24 | 7時30分01秒 | 7時30分04秒 |
B | 48 | 7時30分04秒 | 7時30分10秒 |
A・B地点の初期微動が始まった時刻の差は、
(B地点の初期微動開始時刻)-(A地点の初期微動開始時刻)
= 7時30分04秒 – 7時30分01秒
= 3秒
だね。
AとBの震源からの距離の差は、
48-24= 24km
だ。
ってことは、初期微動を引きおこしたP波は3秒でA・B間の24kmを移動したことになる。
よって、P波の速さは、
(AとBの震源からの距離の差)÷(A・B間の初期微動開始時刻の差)
= 24 km ÷ 3秒
= 秒速8km
ってことになるね。
主要動を引き起こしたS波についても同じように考えてみよう。
S波の速さは、
(AとBの震源からの距離の差)÷(A・B間の主要動開始時刻の差)
= 24 km ÷ ( 7時30分10秒 – 7時30分04秒)
= 24 km ÷ 6秒
= 秒速4km
になるね。
問2. 地震発生時刻は?
次は地震発生時刻だね。
地震発生時刻の求め方は、
(初期微動開始時刻) – (震源からの距離)÷(P波の速さ)
で計算できちゃうよ。
なぜこの計算式で地震発生時刻が求められるのか詳しく見ていこう。
まず、「P波の速さ」と「震源からの距離」を使うと、
P波が到達するまでにかかった時間を求めることができるんだ。
ここで思い出して欲しいのが速さの公式。
道のり÷速さ
で、ある道のりの移動にかかった時間を求めることができたよね?
今回は、地震が「震源」というスタート地点から、「観測点」というゴールまでにかかった時間を算出するわけね。
ここでA地点の観測データに注目してみよう。
観測点 | 震源からの距離km | 初期微動が始まった時刻 | 主要動が始まった時刻 |
---|---|---|---|
A | 24 | 7時30分01秒 | 7時30分04秒 |
震源からの距離は24kmだから、初期微動を伝えるP波はA地点まで、
=24km ÷ 秒速8km
= 3秒
で進んだことになる。
こいつをA地点の初期微動がはじまった時刻から引いてやると、地震発生時刻が求められるよ。
(A地点の初期微動がはじまった時刻)- (P波がA地点まで到達するのにかかった時間)
= 7時30分01秒 – 3秒
= 7時29分58秒
になるね。
問3. C地点の初期微動継続時間は?
続いてはC地点の初期微動継続時間だ。
観測点 | 震源からの距離 | 初期微動が始まった時刻 | 主要動が始まった時刻 |
---|---|---|---|
C | 64 | 7時30分06秒 | X |
C地点の主要動の開始時刻がわからないから、まずこのXを求めないと初期微動継続時間がわからないようになってるのね。
- C地点にS波が到達するまでの時間を計算
- C地点の主要動の開始時刻を求める
- 主要動開始時刻から初期微動開始時刻を引く
の3ステップで計算していくよ。
まず、S波がC地点までに到達する時間を計算。
(C地点の震源からの距離)÷(S波の速さ)
= 64km ÷ 秒速4km
= 16秒
になる。
地震発生時刻が7時29分58秒だから(問2で求めたやつね)、そいつに16秒を足してやるとC地点の主要動開始時刻になる。
よって、C地点の主要動開始時刻は、
(地震発生時刻)+(S波がCに到達するまでにかかった時間)
= 7時29分58秒 + 16秒
= 7時30分14秒
だ。
あとは、「主要動開始時刻」から「初期微動開始時刻」を引けば「初期微動継続時間」が求められるから、
(C地点の主要動開始時刻)-(C地点の初期微動開始時刻)
= 7時30分14秒 – 7時30分06秒
= 8秒
になるね。
こいつがCの初期微動継続時間だ!
問4. D地点の震源からの距離を求めて
D地点の震源からの距離(Y)を求める問題だね。
観測点 | 震源からの距離 | 初期微動が始まった時刻 | 主要動が始まった時刻 |
---|---|---|---|
D | Y | 7時30分10秒 | 7時30分22秒 |
この震源からの距離を求める問題は、
- P波がD地点に到達するまでにかかった時間を求める
- そいつにP波の速さをかける
の2ステップでオッケー。
まず、初期微動開始時刻から地震発生時刻を引いて、P波が震源からD地点まで到達するのにかかった時間を計算。
(D地点で初期微動が始まった時刻)-(地震発生時刻)
= 7時30分10秒 – 7時29分58秒
= 12秒
あとはこいつにP波の速さをかけてやれば震源からD地点までの距離が求められるから、
(P波が震源からD地点に到達するまでにかかった時間)×(P波の速さ)
=12秒 × 秒速8km
= 96 km
がD地点の震源からの距離だね。
問5.「初期微動継続時間」と「震源からの距離」のグラフをかいて!その関係性は?
震源からの距離と初期微動継続時間の関係をグラフに表していくよ。
まずはA〜D地点の初期微動継続時間を求めてみよう。
それぞれの地点で、
- 初期微動の開始時刻
- 主要動の開始時刻
がわかってるから、それぞれの初期微動継続時間は、
(主要動の開始時刻)−(初期微動の開始時刻)
で計算できるよ。
実際に計算してみると、次の表のようになるはずだ↓
観測点 | 震源からの距離 | 初期微動が始まった時刻 | 主要動が始まった時刻 | 初期微動継続時間 |
---|---|---|---|---|
A | 24 | 7時30分01秒 | 7時30分04秒 | 3秒 |
B | 48 | 7時30分04秒 | 7時30分10秒 | 6秒 |
C | 64 | 7時30分06秒 | 7時30分14秒 | 8秒 |
D | 96 | 7時30分10秒 | 7時30分22秒 | 12秒 |
この表を使って、
- 震源からの距離
- 初期微動継続時間
の関係をグラフで表してみよう。
縦軸に震源からの距離、横軸に初期微動継続時間をとって点をうってみよう。
この点たちを直線で結んでやると、こんな感じで直線になるはず。
原点を通る直線の式を「比例」といったね?
このグラフも比例。
なぜなら、原点(0,0)を通り、なおかつ初期微動継続時間が2倍になると、震源からの距離も2倍になるっていう関係性があるからね。
したがって、
初期微動継続時間は震源からの距離に比例する
って言えるね。
初期微動時間が長いほど震源からの距離も大きくなるってことだ。
初期微動継続時間・震源までの距離・地震発生時刻の公式をまとめておこう
以上が自身の地震の計算問題の解き方だよ。
手ごたえがあって数学までからでくるから厄介な問題だけど、テストに出やすいから復習しておこう。
最後に、この問題を解くときに使った公式たちをまとめたよ↓
P波の速さ | (観測点間の距離)÷(観測点間の初期微動開始時刻の差) |
---|---|
S波の速さ | (観測点間の距離)÷(観測点間の主要動開始時刻の差) |
地震発生時刻 | (初期微動開始時刻) – (震源からの距離)÷(P波の速さ) |
初期微動継続時間 | (地震発生時刻)+(S波がある地点に到達するまでにかかった時間)-(初期微動開始時刻) |
震源からの距離 | (P波が震源からある地点に到達するまでにかかった時間)×(P波の速さ) |
地震の計算問題をマスターしたら次は「地震の種類と仕組み」を勉強してみてね。
そじゃねー
Ken
Qikeruの編集・執筆をしています。
「教科書、もうちょっとおもしろくならないかな?」
そんな想いでサイトを始めました。
理科のグラフをかく問題で
印をとるときと取らないときの
違いを教えて下さい
計算の仕方は、すべて公式のものですか?もうちょっと簡単な公式とかありますか?
実際にテストで出る 地震計による地面の揺の記録 というグラフから、初期微動継続時間の求めるにはどうしたら良いのでしょうか?
>実際にテストで出る 地震計による地面の揺の記録 というグラフから、初期微動継続時間の求めるにはどうしたら良いのでしょうか?
大きな揺れ(主要動)がくるまで小さな揺れ(初期微動)が続いた時間が初期微動継続時間だよ!
観測点間ってなんですか??
地震の揺れを観測した2つの地点の間ってこと!ちょっとわかりづらいか!
とても分かりやすいですありがとうございます
公式は覚えた方が良い(便利)ですか?
また、これらの公式を早く覚えるにはどうすれば良いのですか?
公式よりも地震の各用語の意味を覚えたほうがいいかな!
すると自然と色々計算できるようになる
問4のところで初期微動継続が始まった時刻と書いてありますが
初期微動が始まった時刻じゃないんですか?
間違えてたらすいません!
たしかに!指摘ありがとう〜
体育の記録で「切り上げ」、「切り捨て」、「四捨五入」が出てきたのですが違いがわかりません!わかりやすく教えてください!(理科のサイトなのに数学みたいな質問で申し訳ないです。)
切り捨てはバッサリそれ以下がなかったことにして、
切り上げは切り上げ対象の位の数が5以上だったらその前の位を1上げるんだ。
で、「5以上だったらその前の位を1上げて、5未満だったら切り捨てること」を四捨五入というよ。
何回か練習してみてカラダで覚えるのがいいかな
あと理科のサイトではないな!笑
地震の発生時刻を求めなさい。とかいう問題の計算がよくわからなくなるのですが、よくわかり、覚えやすい、覚え方は、ありますか
テストによく出るのは地震の計算でどの辺ですか。又、特に覚えていた方が、良い所はありますか。
計算問題は出るな!その前に「震源・震央」とかの基礎ワードを押さえておこう!
うーん、覚え方というよりはそれぞれの用語の意味をしっかり理解すると解けるようになるはず!
わかりやすいものはありますか?
p波とs波の問題がわからないです????
s波やp波の速さってすべて同じなんですか。
分かりやすい説明だったのですぐに分かりました!!!!!!
ありがとうございます
イェーイわかったー
ありがとうございました
助かりました。
あなた天才ですか
めっちゃ分かりやすいです!試験勉強助かります!
めっちゃ分かりやすいです!試験勉強助かります!!!!!!
ありがとうございます
明日テストなのですが簡単に覚えられる地震の式を至急お願いします!!
震源からの距離で、ある地点ってなんですか?
地震の計算の仕方とか分かっていても上手く出来なくて、いつもも間違えてしまいます。地震の計算に強くなれる方法などがありましたら教えていただけますか?ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。