真空放電・陰極線とは・・・?
こんにちは!この記事を書いているKenだよ。年金、だね。
中学理科で「電気の分野」を勉強していると、
- 陰極線
- 真空放電管
とか、できれば関わりたくない用語が出てくるよね。
実は僕自身、めんどくさいからスキップしてたんだ。
だって、こんなの絶対やっかいじゃん?
しかし、熱烈な読者から「陰極線を解説してほしい」という要望があったのでまとめてみたよ。
【復習】放電とは何か?
「陰極線」とか「真空放電」とか勉強する前に、
「放電」とは何かを復習しよう。
静電気で見たけど、放電とはズバリ、
何もない空間に電気が流れること
だ。
回路がないのに電気が流れるなんて超不思議。
放電の身近な例は「雷」。
![静電気とは わかりやすく](/wp-content/uploads/2018/04/seid22.png)
雲と地面の間には空気しかないよね?
でも、ある一定の条件を満たすと「雲」にたまっていたマイナス電気が地面に移動するんだ。
これが雷の正体で、雷は一種の放電現象だ。
「真空放電」とは何か?
じつはこの「放電」は、
「空気がない状態」が起こりやすいんだ。
例えば、左にマイナス電極、右にプラス電極があったとしよう。
その中央に「何もない空間」がある。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in1.png)
この時、真ん中の空間を「空気がない状態」、つまり「真空状態」にしてあげると、放電が一番起こりやすいんだ。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in2.png)
だから、放電の実験をする時は電極の間に「真空状態」を作り出すわけさ。
こんな感じで、
わざと真空状態を作って放電が起こりやすくした管のこと
を「真空放電管」と呼んでいるよ。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in7.png)
なぜ真空状態だと放電が起きやすいのか??
それは、空気が「絶縁体」で電気が通るのを邪魔しちゃうからだね。
真空状態で空気を0にすると、邪魔者がいなくなるから電気が通りやすくなるわけだ。
放電には向きがあるのか?
「電気の流れ」には向きがあるんだろうか??
これを確かめるために放電状態を作って、
![](/wp-content/uploads/2020/01/in3.png)
プラス電極の前に「十字架」を置いてみた。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in4.png)
すると、プラス電極の前に十字架の影ができちゃった。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in5.png)
ということはだよ?
放電による電気の流れは
マイナスからプラスへの向きがある
ってことになるね。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in8.png)
もし、逆にプラスからマイナスだったら、マイナスの電極側に影ができるはずだからさ。
何が流れているのか?
それじゃあ一体何が流れているんだろう??
その正体を確かめるために、マイナスとプラスの電極の間に「蛍光板」を入れてみる。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in6.png)
すると、
色がついた「電気の流れ」が見えてきたんだ。
蛍光板が電極の間で筋状に光っているのね。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in9.png)
さらに、真空放電管の上下に「プラスとマイナスの電極」をつけてみた。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in10.png)
上にプラス、下にマイナスの電極さ。
すると、電気の流れは上側の「プラス電極」に引き寄せられるように曲がっちまった。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in11.png)
つまり、プラスに引き寄せられて、マイナスとはしりぞけ合っていることになるね。
したがって、この「電気の流れ」の正体は
マイナスの電気を帯びているもの
と予測できるんだ。
なぜなら、「電気の力」には、
同じ符号の電気はしりぞけあって、違う符号の電気は引き合う
という性質があるからだね。
それじゃあ陰極線とは??
このように真空放電管の実験を通して、
- 流れる方向は「マイナスからプラスへ」
- 「マイナスの電気を帯びたもの」が流れている
とわかったんだ。
ただ、「真空放電管を流れているもの」をなんて呼べばいいんだろうね??
1876年に「オイゲン・ゴルトシュタイン」って人がこれを「陰極線(Kathodenstrahlen)」と名付けた。
マイナス(陰)の電極の性質を持った線
とすれば覚えやすいかな。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in12.png)
そして、陰極線の発見から21年後の1897年。
イギリスのトムソンって人が、
陰極線は「マイナスの電気を帯びた小さな粒の流れである」
と発見したんだ。
この「マイナスの電気を帯びた小さな粒」がのちに「電子」と呼ばれることになって、その「電子」の流れが「電流の正体」だったんだ。
![](/wp-content/uploads/2020/01/in13.png)
ということで、「真空放電」とか「陰極線」とか難しい用語が出てくるけど、
「電流の正体を発見した経緯」を知るために重要な用語だよ。
ぜひテスト前にも復習してみてね。
そんじゃねー
Ken
【参考記事】
![](/wp-content/uploads/2019/02/drkoshiki.png)
Qikeruで執筆しています。
「教科書、もうちょっとおもしろくならないかな?」
そんな想いで始めました。
一次関数の座標の求め方を簡単に求める方法を教えてください。